現在のように「おしゃれなキッチン」と呼ばれる前の台所の時代には、そこは専業主婦などの女性のみが立ち働く場所であるという固定観念があったものです。
しかし、使いやすい食器戸棚などの家具や家電製品の数々を人々が手にするようになってからは、その考え方も180°変わったといっても過言ではないでしょう。
つまりアイランドキッチンのようなオーダーキッチンが持てはやされる現代においては、キッチンは家族のコミュニケーションの場ともなっているからです。
オーダーキッチンの失敗は使い始めてから発覚する
オーダーキッチンは多くの女性や男性にとっても大いなる憧れであると同時に、現代の共稼ぎをしている両親と子供といった核家族構成においては、休日の家族一緒の協力の場であり団欒の場でもあるようです。
家族が一体となって調理の下準備から料理を作り上げ、またその場で食事を楽しみながらおしゃべりをして、普段不足しがちなコミュニケーションを図り、後片付けに至るからでしょう。
しかし一方で、あれこれと考え抜いて作ったはずのオーダーキッチンが、実は思ったように機能せずに使いにくさが身にしみる場合もあるようなのです。
それはキッチンが持っている調理の場という本来の目的から大きく逸脱し、おしゃれ感だけが独り歩きした結果といえなくもありません。
たとえば、オーダーキッチンに見せるキッチンであることを求め過ぎたり、家族で一緒に作業することばかりを考えたために、導線といった使い勝手の良さをないがしろにしてしまうこともありがちだからでしょう。
家具・家電の導線も考慮した快適なキッチンにしたいですね
ところで、自分にとっての理想的なオーダーキッチンを考えたとき、意外に最後まで見落としてしまうのが家具や家電の配置と導線なのではないでしょうか。
冷蔵庫ひとつを例に取ってみても、右開き、左開き、両開きなどがありますが、オーダーキッチンに合わせて新しく購入するのか、今まで使っていたものをそのまま当てはめて使うのかによっても導線が変わってきます。
しかも、年々世の中には便利な家電品が増え続けており、新しく店頭にお目見えしたものが欲しくなったり、購入することを考える場合もあることでしょう。
すると、それを置く場所がまた必要になるというわけですから、最初からあまりにもきちっと家具や家電をオーダーキッチンに納めてしまうと、後々それらを置く余裕がなくなって導線が悪くなることも考えられます。
そこで、そういった新しい家具や家電が増えることなども考慮した上で、多少スペースにも余裕を持たせながらいつまでも快適で使い勝手の良いオーダーキッチンにしたいものです。